さあ、山の頂上に登って、猟犬どもの吠え立てる声とその反響とが入り乱れてあやなす音楽を聞こうではないか。

5/26(木) 日記 晴れ、ちょっと曇り

一昨日、先週から準備していた書類をとあるところへ無事に送り、昨日は安心したのか昼間から凄く眠くて寝ていた。そして、今日も眠くて昼寝する。

週末の準備をしないといけないのだけど、全く気分が眠りへ持ってかれてしまったので致し方ない。明日やればいい。

土曜日に図書館へ行って、今回は忙しいしなにも借りないぞ!と思ったのに、借りてしまったのは、エリザベス・ストラウトの「何があってもおかしくない」だった。短編だからいいかと思ったし、そんなに期待していなかった。そしたらすごい面白くて結局一昨日、昨日と寝る前に夢中になってしまい、ほぼ一気読み。(だから昼間眠いのだ)

アメリカの中西部のとある田舎町の話で、短編であるもののその町の人が順番で自分の話をしているような感じの構成でとても良かった。時系列もいろいろで、この二人はこうなったのか。とか、この人にはこんなことがあったのか。とか、そんな風にいろんな登場人物の人生が垣間見れて、それはどれも優しい気持ちになれるようなものだった。優しいというのは、相手をよく知ると、寛大な気持ちになることがあると思うのだけど、それによって湧き上がる愛しいような優しい気持ちの優しい。親しい人より、少し遠い人に感じることが多い種類のもの。

登場人物はどの人も田舎のありきたりな(そんな人は本当は一人もいないけど)映画でいうと脇役のような人々なのだけど、みんなそれぞれ痛みを抱えていて、それとうまく付き合っている。すごく嫌な人も出てくるのだけど、語り手となる人は皆、自分で、明るい方へと意識を向け、行動する。それがとてもさりげなく書かれているのだけど、それはみんながみんな出来る事ではないと思う。その小さな勇気にとても感動して、それでとても優しい気持ちになれた。

ニューヨーク・タイムズの書評も良い。「なぜストラウトを読むかと言うと、その理由はレクイエムを聴くのと同じだ。悲しみの中にある美しさを経験する。」ただ、悲しみを知らない人や、想像できない人には理解できないかもしれないなとも思う。

悲惨とも言える悲しみが出てくるけど、なぜか美しい。こんな小説書けるなんてすごいなと思う。世の中にはまだまだ面白い本があるな。素直に嬉しいし、楽しい。