
写真家、植本一子さんの2014年に自費出版した同名の冊子を中心にその後の日記、散文をまとめた一冊です。
あまりにも赤裸々に綴られた日記に至るところで衝撃が走ったと思います。少なくとも私は衝撃を受けました。なんでこんなに包み隠さずに、カッコつけずに、美しくぼやかしたりせずに世の中に出せるのだろうか。尊敬すらしてしまうほどです。。自分自身、丸ごとをそのまま差出せる強さが羨ましくもありますが、多くの人は決して真似できることではないのではないかと思います。それだけでもとても凄い本です。
日々の小さなことから、大きなことまで。誰しもが多かれ少なかれ悩む問題を、彼女も悩み考え、または考えずに、ただそれを吐露していきます。読んでいると、自分の悩みや不安、孤独が重なり、不思議と浄化されていくような気がします。読むだけで、色々と許されるような、生易しいものではないのに、セラピーのようでもあります。それは、やはり植本さんの素直さがそうさせているのではないかと思います。
表紙の絵は今井麗さんが飾っています。
日々の暮らしが何かじわじわと重く感じる人、なんとなく寂しく思っている人におすすめです。
著者:植本一子 / 発行:タバブックス / 195mm × 135mm / 288P / ハードカバー/ 新刊
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