
著者は三重在住の高校生だった大阿久佳乃さん。
彼女が、詩を読むことの面白さを伝えようと製作した約16ページのフリーペーパー、「詩ぃちゃん」を軸に約100ページの書き下ろしを加えたエッセイです。
まず、あまりの瑞々しさにハッとしてしまいます。自分が理解した分だけ、とても素直に丁寧に伝えようとする姿勢がそこかしこに見え、詩が本当に好きなのも伝わってきます。そして、ぜひたくさんの人に詩の面白さ、素晴らしさを知って欲しいという想いも。
それが、決して押し付けがましいものでなく、「どれ、一つ、ロジェ・グルニエとやらを読んでみるか。」と素直に思えるような謙虚さがあり、実際に本を手に取らせる説得力があります。
十代の頃のあの時期だけ特別な感性と彼女の感性が素晴らしい化学変化を起こして、なんとも奇跡のような本だと思います。
挿画はモノ・ホーミーさん。夏葉社の島田さんが新しく立ち上げたもう一つの出版の場所、岬書店からの発売です。
著者:大阿久佳乃 / 発行:岬書店 / 175mm × 118mm / 160P / 仮フランス製本
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