
韓国のシンガーソングライターでもあり、作家でもあり、映像作家でもありとマルチに活躍するイ・ランさんの3枚目のオリジナル・アルバムです。
2021年夏に配信はスタートしており、すでに大きな反響を読んでいる作品の日本版CDです。韓国版とも違ったアートワークは本物の紙幣を裁断したものを特漉き込んだという特殊な紙を使用し、そこに押された真っ赤な箔のタイトルが美しいです。
前作よりもより音、声の重なりが印象的に聴こえます。多くの重なりから聞こえるのびやかなイ・ランさんの歌声がどこまでも遠く、美しく楽しく痛みのない場所へ連れて行ってくれるような気がします。
歌詞を知れば、さらに歌の世界へ深く潜ることができ、どんなに小さく一人きりだと思っている人さえも掬い上げてくれるような優しさを感じることができると思います。ただ彼女の魅力は決して優しさだけでなく、怒り、嘆き、憎しみ、それらを切り離さずに内包し、そのまま表現しているところではないかと思います。
それを目の当たりにすること(今作品は聴くということ)が、癒しに繋がっていくのではないかと思います。彼女の歌を聴くたびに、深いところで塞がらずにいる傷口が少しずつ癒えていくような気がします。
こんな混沌としたどうしようもない世界を嫌いになれない人へオススメです。
1. オオカミが現れた
2. 対話
3. よく聞いていますよ
4. 患難の世代
5. パンを食べた
6. 意識的に眠らないと
7. 何気ない道
8. パクカン・アルム
9. ある名前を持った人の一日を想像してみる
10. 患難の世代(Choir Ver.)
アーティスト:イ・ラン(이랑) / 収録曲数:10曲 / オリジナル紙ジャケット(ダブル)+40pブックレット / デザイン:廣川靖 / アートワーク(版画):廣川毅 / ライナーノーツ:中村佑子 / 歌詞対訳:清水博之(雨乃日珈琲店)/ マスタリング:大城真
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