
食、お酒をベースに「人」と「時代」にフォーカスしてたくさんの記事を書かれている文筆家である井川直子さんが書く、シェフ15人の本です。
バブル後、経済も社会も凍りついていた超氷河期時代に「シェフになりたい」という情熱を持ちイタリアへ旅だった若者はとても多かったそうです。でも実際に厨房に立ててもシェフになれるのは一握り。帯にもあるように、「10年続けば奇跡」と言われるような世界。イタリアで修行した15人のその奇跡がここにはあります。
そして、本当にそれぞれの道があり、それぞれの10年は当たり前だけど似たものはなく、自分の道を見つけるために、料理を続けるために悩み、もがき、奮闘しています。こだわるところもそれぞれで、一口にイタリア料理と言ってもこんなに個性があるのかと驚きます。場所もイタリアから日本各地、そしてアジアなどに移り変わり、人の人生とは本当に面白いものだなと思います。
発行されたのは2015年。コロナ禍を経て、現在はみなさんどうしているのかなという思いがよぎります。でも、こんなに「つづける」ということをやってきたそれぞれのシェフたちだから、きっとそれぞれのやり方で料理を続けているのだろうなと思います。
料理が好きな人、何かを成し遂げたい人におすすめです。
著者:井川直子 / 発行:ミシマ社 / 190mm × 130mm / 271P / ソフトカバー / 2016年第3刷発行 / 古書
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