
矢崎節夫さん選・鑑賞解説の金子みすゞさんの詩集です。
まず表紙の言葉がとてもいいです。「きょうの 私に さよなら しましょ。」なかなか普段の生活に出てこない言葉です。この言葉の響きをじっくりと味わうだけでも一日が豊かになるような気がします。
1903年に生まれ、26歳でこの世を去った彼女はの言葉は、とても慎重に池から水を手ですくうように選ばれているように思います。童謡詩人と言われるように、子供に歌って聴かせるようなそんな詩が多いです。そして、とても遠くから世界を見ているような一種の傍観者のように、でもすぐ隣で起きていることを話すように、そんな不思議な距離感の世界です。
120年ほど前という近くはない時に書かれた彼女の詩を読むと、それらは、じっと読まれるのを待っていたような気がします。静かにそっとそこに居た。という感じです。こんなにそっと主張せずにじっとしていられるものかと思うくらい。
どうぞあたなの生活の中にこの本を迎えてください。思いも寄らず、色々なことが静かに整うと思います。そんな力がある気がします。
心がざわざわしている人にオススメです。
著者:金子みすゞ / 選・鑑賞解説:矢崎節夫 / 発行:小学館 / 192mm × 135mm / 125P / ハードカバー / 2013年第一版六刷発行 / 古書
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