
フランスでベストセラーになった息を呑むような物語です。
母親の葬儀の後、謎の手紙が届き始めます。決まって火曜日に届き、そこには知らない人の物語が書かれています。初めは宛先を間違えたのだと思っていた主人公のカミーユは、差出人を探そうとします。そして、途中からこれは自分に関わりのある話ではないかと思い始めます。
エンターテイメント性の高い物語で、まるで映画のようです。続きはどうなるのだろうか?とドキドキしながらページをめくるでしょう。
物語ももちろん面白いのですが、物語の時代背景が日付つきでとても細やかに描かれています。著者のエレーヌ・グレミヨンは文学と歴史の学位を持ち第二次世界大戦に強い関心もあり、今作を書くために多数の資料を読んだとのことで、この時代に人々がどんな考え方をし、どう動いていったのかも興味深く読めると思います。
特に女性の不妊についての箇所は、現代では信じられないような話で、よくお調べになったのだろうなと思います。想像もつかないような治療法で、女性が世の中にどのように扱われていたのかがよく分かると思います。
ドキドキハラハラの物語が読みたい人にオススメです。
著者:エレーヌ・グレミヨン / 訳者:池畑奈央子 / 発行:早川書房 / 195mm × 140mm / 345P / ハードカバー / 2014年初版発行 / 古書
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